急成長するベンチャー企業にとって、労務は日々の業務の中では見えにくい領域ですが、企業が成長していくうえで欠かせない基盤の1つです。株式会社ABABA様も、社員数が50名を超えたタイミングで、HR専任者の不在と、成長企業ならではの課題に対応できる産業医の選任という2つの課題に直面していました。
そこで導入したのが、産業医NEOです。
導入から1年半。休職や復職といった重要な場面で、会社の状況を理解した産業医の見解が判断材料に加わりました。判断を社内だけで抱えずに済むようになり、担当者の心理的・時間的な負担は大きく軽減されています。
医学的な見解だけでなく、何を基準に決めればいいかを一緒に整理し、会社としてどう動くかまで相談できる。
そんな伴走体制の魅力について、コーポレート部門を管掌する福有様にお話を伺いました。

産業医NEO導入の背景と効果
社名 | 株式会社ABABA |
業種 | 情報通信業(HRテック) |
事業概要 | 新卒向けダイレクトリクルーティングサービス |
社員数 | 51〜100名 |
設立年 | 2020年 |
資金調達 | 2025年3月シリーズBで12.5億円調達(累計18.2億円) |
所在地 | 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1丁目19−19 恵比寿ビジネスタワー 8階 |
課題
【HR専任者不在による対応の属人化】 コーポレート社員が本来業務と兼務する形でHR対応を担っており、労務問題が発生した際に社内に経験者がおらず、休職・復職といった場面で何を基準に判断するかをその都度考える必要があった。
【成長企業における初選任の難しさ】 常時50人以上の労働者を使用する事業場となり、法律上、産業医の選任が必要になったが、初めての選任で選定基準がなく、医学的な知見に加えて「会社の状況を踏まえて相談に乗ってくれるか」まで見極める必要があった。
決め手
【会社の状況を踏まえて意見をもらえること】 医学的な見解をもらうだけでなく、面談を踏まえて会社としてどう対応するかまで相談できる。
【産業医と直接やり取りできること】 産業医と直接Slackで会話ができ、継続的に関係を築ける。仲介会社によっては直接の対話が難しい場合もある中、この体制が決め手になった。
効果
【判断に根拠を持てるようになった】 休職や復職の場面で、会社の状況を理解した産業医の見解が判断材料に加わり、根拠を持って進められるようになった。
【社内の2人だけで担っていた難しい役割を、託せるようになった】 これまで社内の担当者だけで両立が難しかった「伝えること」と「寄り添うこと」を従業員にも会社にも伴走してくれる産業医に委ねられるようになり、信頼関係が安定した。
【労務対応にかける時間が約1/6に】 本来の業務時間に占める労務対応の割合は、産業医がいなければ30〜40%に達していたところ、現在は約5%。判断を社内だけで抱えずに済むことで、時間的な負担に加えて心理的な負担も軽くなった。
Index
1. HR専任者不在と産業医選任という、社員数50名超えで直面した2つの壁
2. 導入時の不安は「産業医との関係構築」と「若手社員への浸透」
3. 産業医が加わったことで生まれた「休職・復職の判断基準」
4. 「伝える」と「寄り添う」を、社外に託せるようになった
5. 他の産業医サービスとの違いは、まだ考えが固まっていない段階から相談できること
6. 労務対応にかけていた時間が30〜40%から5%へ
7. 成長企業へのメッセージ:労務リスクは、早く知っておくだけでも違う
8. 編集後記
1. HR専任者不在と産業医選任という、社員数50名超えで直面した2つの壁
——福有さんの担当されている領域について教えてください。
福有さん: コーポレート全般を管掌していて、いわゆる法務やセキュリティその他、オフィスワーク、HR全般を管掌しています。産業医とのやり取りもメインで行っています。
——産業医NEOの導入から1年半が経ちます。ご検討される前に、組織としてどういった課題を抱えていらっしゃいましたか。
福有さん: 大きく2つの課題がありました。
1つ目は、HR専任の担当者がおらず、コーポレートの社員が本来の業務と兼務する形で対応していたことです。社員数が少ないうちは組織の粗があっても企業成長の方に目が向いていたのですが、社員数が増え、一人ひとりの業務が細分化されていくにつれて、労務面の対応が必要になった際に社内に経験者がおらず困る、という状況が出てきました。
2つ目は、産業医の選任です。常時50人以上の労働者を使用する事業場となり、法律上、産業医の選任が必要になったのですが、いきなり探すのは簡単ではありませんでした。単に医療的な知見があるだけでなく、従業員と会社の双方に寄り添ってくれる人柄もあるという条件で探した結果、1番良い形で着地できたのが今回の産業医NEOの導入でした。

2. 導入時の不安は「産業医との関係構築」と「若手社員への浸透」
——実際にご導入いただくにあたって、不安な点はありましたか?
福有さん: 2点ありました。
1点目は、先生とどのように関係性を繋いでいくかという点です。産業医の先生と直接会話をすることが難しい場合もありますが、産業医NEOでは直接お話をすることができますし、関係性もかなり構築できていると思います。
2点目は、産業医を知らない若手社員が多い中で、産業医という存在をどう社内に馴染ませていくかという点です。
——2点目はどのように解消されたのですか?
福有さん: 会社から強制するのではなく、「健康に関する悩みやメンタルについて何か困ったことがあれば産業医にぜひ相談してみてね」と自然に溶け込ませる形で、かなり社内に浸透していきました。
——多くの社員の皆様から、面談のご予約をいただいている印象があります。
福有さん: 会社から強制しているわけではないので、産業医の先生がいるということを社員それぞれが知っているのだと思います。まず社内に相談が来て、そのうえで産業医におつなぎする形にしています。
3. 産業医が加わったことで生まれた「休職・復職の判断基準」
——実際にご導入いただいて、具体的にどういった変化や成果がありましたか。
福有さん: これまで専任の担当者やHR経験のある人がいなかったので、休職・復職に関してとても助かりました。それまでは診断書をもとにどう判断するかという点で、判断の基準を社内に持てておらず、その都度考えている状態でした。
導入後は産業医の先生に入っていただいて、直接会話ができますし、会社のことを理解していただいたうえでコメントをいただけるので、休職・復職の判断においてとても重要なファクターになったと思います。
4. 「伝える」と「寄り添う」を、社外に託せるようになった
——印象に残っている対応やエピソードはございますか。
福有さん: 日頃から良い役割分担ができていると思っています。第三者の立場だからこそ伝えていただけることもありますし、先生が間に入って話すことで、僕らには言ってくれなかったことを従業員が話してくれる時もあります。そうやって、良いバランスで役割分担ができるようになりました。
これまでは社内の担当者2人だけで対応していたので、伝えづらいことを伝える役割も、寄り添う役割も、どちらも自分たちで担わなければなりませんでした。その役割を、相談もできて信頼もできる社外の存在である産業医に任せられるようになったことは、すごく大きいと感じています。
結果として、従業員との信頼関係の面でも、以前より安定した状態になりました。

5. 他の産業医サービスとの違いは、まだ考えが固まっていない段階から相談できること
——他の産業医サービスと比較してご実感されている、産業医NEOの特徴をお伺いできますか。
福有さん: 相談のしやすさだと思います。日頃の些細なご相談から、実際に面談していただいた後に会社側がどう対応するかというご相談もSlackなどで活発にできています。他の産業医サービスでは、対応は会社の判断に任せる姿勢も少なくない中で、産業医NEOではいつでも相談できて、まだ考えが固まっていない段階から一緒に考えていただけます。何を基準に決めるかという判断軸の整理は、まさにHR担当が困るところなので、助かっています。
——成長企業だからこそ助かったと感じた部分はございますか。
福有さん: あります。大きな組織では対応がある程度標準化されていて、産業医に相談するまでにも一定のフローや情報を整理した上で相談するというやり方ですが、スタートアップでは、社員みんなが若く、経験のある人ばかりではないので、必要な情報が十分に集まりにくい難しさがあります。 必要な情報がそろっていない段階でも、そのまま相談できる、というのが助かっているところです。
6. 労務対応が30〜40%の見込みから実質5%に
——福有さんご自身の働き方にも変化はありましたか?
福有さん: 業務負荷や心理的な負荷が軽減されていますね。これまでは、判断の全責任を自分たちで背負っていたので、判断軸や経験の違いから意見が分かれることもあり心理的な負荷がかかっていました。
今は先生の見解があり、それを踏まえながら社内で方向性の議論ができるので、かなり負荷が分散されるようになりました。今は自分の業務時間のうち労務対応は5%くらいですが、産業医の先生がいなかったら、30〜40%はいっていたと思いますし、正直、そこまでいくと手が回らなくなっていたはずです。
7. 成長企業へのメッセージ:労務リスクは、早く知っておくだけでも違う
——今後、組織としてどのような状態を目指していますか。
福有さん: スタートアップなので、みんな一定の意欲を持って働いてくれている分、高い負荷がかかりやすい。ただ、負荷をなくせばいいという話ではなく、その負荷が、悪い方向に向かわない状態にしたいと思っています。「心理的安全性」という言葉だけが先に立って、それ自体が目的になってしまうのではなく、負荷がかかっても正しく対処でき、成果につなげられる会社になりたいです。
——これから社員数が50名を超えてくる、1年半前の御社のような企業に向けて、メッセージをいただけますか。
福有さん: 少し率直に言うと、労務は直接売上をつくる仕事ではありません。ただ、一度トラブルが起きると事業の進み方そのものに影響し、場合によってはIPOのような場面でリスク要因になることもあり得ます。
だからこそ、早い段階で労務のリスクを認識しておくといいと思います。かっちりした業務フローをすぐに整えるという話ではなく、認識しておくだけでも違います。その上で、視点が偏らないように、社内のみではなく産業医のような第三者に意見を聞ける状態にしておくと安心だと思います。

8. 編集後記
産業医NEOは、ベンチャーの成長を加速させるために必要不可欠な潤滑油。インタビューの最後に、福有さんからこのようなお言葉をいただきました。
社外に相談できる相手がいること。決める手前から一緒に考えてくれる人がいること。それは担当者の負担を軽くするだけでなく、従業員にとっても、社内以外に頼れる先があるということでもあります。
守りがあるから、攻めに集中できる。ABABA様のこれからの成長にも、産業医NEOとして伴走してまいります。


